【概 要】
ディスクドッヂは、ドッヂビーを使った競技の中で、最も普及しているゲームです。
その理由は、ドッジボールゲームをディスクでおこなうというなじみ易さ、詳細なルール説明がなくともすぐにプレーができる点やコートにおいては既存施設を有効活用できるように、バレーボールと同サイズにしていることなどがあげられます。
また年齢性別による差が出難く、多くの方々が一緒に楽しむことができるなど他に類を見ない特長が高い評価をいただいています。
【序 文】
ディスクドッヂはぶつけることで相手内野プレーヤーを減らすゲームです。
ぶつけられたプレーヤーは外野に出て、またぶつけ返すことで内野に復帰します。
最終的に内野プレーヤーの数が多いチームが勝利することになります。
これは相手が捕りにくい、捕れないスローが大変有効な手段になるということですが、そもそも「ぶつけるゲーム」自体を否定する方もおり、このゲームの本質における部分については様々な意見があります。
私達、ドッヂビー協会が新たにルール制定をするにあたっては普及した要点を重視して、より多くの方々にプレーできる、したいと思う環境を整備することに重点を置きました。
具体的には「ぶつけ専用投法」については当面、規制する方向で考えています。
ドッヂビーの特長である安全性によりケガはないにしても、恐怖心を与えるようなスローについての規制、またゲームの展開において味方同士の正確なパスワークによって、対戦相手を詰めていくような流れを推奨することが私達、協会の使命であると考えました。
さらに基本的に本競技の中心競技者層は子どもたちが中心であることを明確に位置付け、ゲームにおいては「ぶつかった」事実について、審判が笛を吹かなければ外野へ出ない。といった考え方をできるだけ排除し、当たった本人が自ら外野へ出ていくようなスポーツマンシップの醸成を真摯に奨励したいと考えております。
以上のような基本理念に則ったルール改訂をおこないましたので、指導者層の皆様には何卒ご理解、ご協力のほどをお願い申し上げます。
2008年8月制定 / 2009年12月改訂
日本ドッヂビー協会
1.【用 具】
1-1 使用ディスク
ドッヂビー270を1枚使用します。
1-2 ユニフォーム
チームは、一見して同一チームとわかる統一を図ってください。
全員が違う番号となる背番号をつけてください。ビブスで代用も可能です。
2.【競技フィールド】
2-1 コート
ふたつの9メートル正方形が接した長方形です。
※バレーボールコートと同サイズです。
2-2 センターライン
外野への延長部分は各2メートル以上としますが、延長線上にはどこまでも両外野を分ける線が存在するものとします。
2-3 ライン
幅は5~8cmとします。すべてのラインはどちらの陣地にも属しません。
3.【チームの構成】
3-1 チームの登録人数
大会および1ゲームにおける1チームの登録人数は大会ごとに主催者が決定するものとします。
3-2 1ゲームのプレーヤー人数
1ゲームに出場するプレーヤーは1チーム13名以下とします。
3-3 その他のメンバー
プレーヤー以外にベンチ入りできるのは、監督/コーチ・マネージャー各1名の計2名までとします。その他のメンバーは競技に出場することはできません。
※全てのチーム構成者は、競技に出場する、しないにかかわらず審判の権限と職権行使に従わなければなりません。
4.【選手の交代】
4-1 ゲーム中の交代
基本的にできません。ただし、けがやその他の理由により審判がプレーの続行が不可能と判断した場合は交代出場ができます。
4-2 セットごとの交代
1ゲームの勝敗を2セット以上によって決する場合、セットごとのプレーヤー交代は自由です。
5.【対戦形態】
5-1 チーム区分
大会におけるチーム区分は主催者が決定します。
5-2 試合時間
大会の試合時間は主催者が決定しますが1ゲームは15分以内を推奨します。
6.【基本定義】
6-1 スローイング
スローイングとは、握った状態のディスクを意図して投げることをいいます。
6-2 スローワー
スローワーとは、スローイングをおこなうプレーヤーをいいます。
6-3 キャッチ
ディスクの動きを止め、自らが所有した状態をキャッチとします。
6-4 拾得(しゅうとく)
地面に落ちて静止しているディスク、および動いているディスクを止めて拾上げる一連の状態をいいます。
6-5 グッドスロー
グッドスローとは、スローワーがファールすることなく投げた飛行中ディスクをいいます。
6-6 バッドスロー
バッドスローとは、スローワーがファールして投げた飛行中ディスクをいいます。
6-7 パススロー
パススローとは、味方へのパスを意図したスローをいいます。
6-8 シュートスロー
シュートスローとは、相手内野に対する攻撃を意図したスローをいいます。
7.【ゲームの進行】
7-1 攻守とフィールドサイドの決定(ディスクフリップ)
ディスクフリップにより、最初の攻撃権とフィールドのサイドを決定します。
1ゲームの勝敗を2セット以上により決する場合、セットごとに攻撃権およびフィールドサイド共に逆の状態で開始します。
7-2 内野・外野の配置
各チームは内・外野ともに1名以上を配置します。
外野プレーヤーの配置はどの位置(縦方向及び左右横方向)に何人でも自由です。
7-3 スローオフ
審判の合図で攻撃権を得た内野チームがスローをおこないゲームを開始します。
スローオフはパススローでもシュートスローでも自由です。
7-4 スローワーの決定
①内・外野を問わずディスクをキャッチしたプレーヤーは自動的にスローワーとなります。
②内・外野を問わず地面に落ちたディスクは、最終的にそのディスクを拾得したプレーヤーがスローワーとなります。
7-5 内野プレーヤーのアウト
内野プレーヤーは以下の場合、アウトとなり速やかに外野に移動します。
①相手チームのプレーヤーが投げたグッドスローをキャッチし損ねた、および身体、ユニフォーム、その他身に付けている物に触れた後、地面に落ちた時。
②上記①の状態でディスクの行方が地面に落ちる前に相手チームのプレーヤーにファールなくキャッチされた時。
7-6 内野プレーヤーの複数アウト
相手(攻撃側)チームがおこなった1投のスローに対して味方(守備側)チームの内野プレーヤーが連続でディスクに触れ、7-5にある結果となった場合は、それらすべてのプレーヤーがアウトになります。
7-7 内野プレーヤーがアウトにならない場合
内野プレーヤーが一旦、取り損ねたディスクを自ら、または味方のプレーヤーが地面に落ちる前にキャッチした時にはアウトになりません。
7-8 外野プレーヤーが内野へ入る権利
外野プレーヤーは相手チームの内野プレーヤーをアウトにすると、内野に入ることができます。
※元外野(プレー開始時に外野にいるプレーヤー)も同様に、相手の内野プレーヤーをアウトにしなければ、内野に入ることができません。
7-9 外野プレーヤーが内野へ入る権利の消滅
外野プレーヤーが相手の内野プレーヤーをアウトにしても、以下の場合は自陣の内野に入ることができません。
①アウトを取ってから、内野に入る前に故意にディスクに触れた時。
②アウトを取ってから、すぐに自陣の内野に入る意思が見られない時。
7-10 内野と外野の移動
①プレー中、内野と外野を移動する際には相手陣地を通ってはいけません。
移動するプレーヤーがプレーの妨げになった場合、プレーは中断され両チームの
プレーヤーの準備が整うのを待って再開されます。
②内外野を移動するプレーヤーが原因で相手チームに不利が生じた場合そのプレーは無効となり、ディスクの所有権はプレーの直前の状態に戻されます。
7-11 タイムアウト
選手および監督/コーチによるタイムアウトは基本的にありません。
ケガ、その他不測の事態が発生したとき、選手および監督/コーチが審判にアピールすることはできますが、審判が必要と判断した場合のみ、審判によってレフリータイムアウトが宣告され、時計を止めます。
ケガによる選手交代の可否などは主催者により大会ルールとしてあらかじめ決定、ゲームの再開はできるだけ宣告以前に近い形を目指し、審判の判断によって適宜おこなわれます。
7-12 ファール・違反
ファールが発生した後の処理が適切におこなわれていない場合、審判は競技をストップして適宜、処理をした後にゲームを再開します。その際、原則的に時計は止めません。
7-13 警告・退場
審判によって、全てのチーム構成者に対して宣告されることがあります。
8.【ディスクの所有権】
8-1 静止したディスクの所有権
どのプレーヤーもキャッチおよび拾得しなかったディスクは最後にディスクが静止したコートのチームに所有権が発生します。
8-2 動いているディスクの所有権
ディスクが地面を転がったり、すべったり、動いている状態であってもディスク全体が自陣コ-ト内にあるところで拾得すれば、所有権が発生します。
8-3 空中にあるディスクの所有権
空中にあるディスクは、どの時点で触れても、キャッチしてもかまわず、結果的にキャッチしたプレーヤーが所有権を得ます。
8-4 同時キャッチの所有権
空中にあるディスクをそれぞれのチームのプレーヤーが同時にキャッチした場合、同時キャッチの直前にディスクに触れたプレーヤーの相手チームのプレーヤーがディスクの所有権を得ます。
8-5 ライン上のディスクの所有権
ライン上に静止したディスクは最後にディスクに触れたプレーヤーの相手チームに所有権が与えられます。「最後に触れる」とは、スローはもちろんキャッチミスやディスクに当たるなど、ディスクに触れる行為、全てが含まれます。
※動いているディスクをライン上で止めて拾得すると相手の所有権となります。
9.【ファールの処理】
9-1 ファールの発生
ファールが発生した場合、ディスクの所有権は相手チームに移動します。
9-2 アドバンテージ(プレーの継続)
ファールを犯しておこなったプレーの結果、ディスクの所有権が相手チームに
移動していた場合、プレーはそのまま続行されます。
9-3 同時ファール(プレーの継続)
両チームが同時にファールを犯した場合、ファールは相殺されプレーはそのまま続行されます。
9-4 ファール処理の不備
ファールを犯したチームがそのままディスクを所有した状態でプレーが継続した場合、プレーは一時中断され、ディスクの所有権を移動させた後、プレーを再開します。
9-5 ディスク所有権の移動方法
攻撃側ファール、守備側ファール、その他のファールなどによって対処がかわりますので、次章以降、10-8、11-5、12-3の条文を参照してください。
10.【攻撃側のファール】
10-1 手渡し
ディスクの手渡しは内・外野を問わずファールになります。
10-2 内野同士のパス
できません。同一チームの内野同士でパスを行うとファールになります。
10-3 外野同士のパス
同一チームの外野同士でパスをする場合、コートのいずれか2本のライン上をディスクが通過するように投げなければなりません。
2本のライン上をディスクが通過しないパスは、ファールとなります。
10-4 オーバーラインスロー
ディスクを投げる際、ラインを踏む、踏み越すとファールになります。
また、スロー後の勢い、およびジャンプしてラインを踏んだり踏み越したりした場合も同様です。
10-5 5秒ルール
プレーヤーは内・外野に関係なくディスクをキャッチしてから5秒以内にスローしないとファールになります。
10-6 バッドシュート・スロー
投げ方にかかわらず、シュートスローにおいてはディスクのウラ面が上を向いた状態のスローはファールとなります。
このスローがおこなわれた場合、結果にかかわらず所有権は移動します。
10-7 ウラ面が上を向いた状態のパススロー
ディスクのウラ面が上を向いた状態のパススローはファールにはなりません。
ただし、守備側プレーヤーに当たった場合にはシュート意思の有無にかかわらずシュートスローとみなし、アウトにはなりません。
よって、このスローは守備側にとって、自らがアウトになることがない安全な
スローとなります。
10-8 攻撃側ファールによる所有権の移動
ファールを犯したプレーヤーは速やかにディスク所有権の発生したチームの内野プレーヤーにディスクを渡します。
正しく渡されない場合、審判によりゲームが止められ、正しく処理された後、
ゲームを再開します。
10-9 スローの補足
◎ ディスクのウラ面が上を向いていない状態の例(グッドスロー)
× ディスクのウラ面が上を向いている状態の例(バッドスロー)
真縦はバッドスローとなります。
※1 真縦(ぎりぎりの)グッドスローとバッドスローの判断について
審判の判断により決定されます。
審判が判断するタイミングは体に当たった瞬間のディスクの状態です。
審判が判断する基本基準は「疑わしきは罰する」とします。
よって微妙な角度はすべてバッドスローとみなされるものとお考え下さい。
※2 12才以下(小学生)大会について
小学生においてグッドスロー・バッドスローの定義理解については難しさがあることは否定できないと考えます。
そこで、12才以下(小学生)はシュート・パスに関係なく、上記のようなグッド・バッドといった「ディスクの向き」ではなく、「投げ方」における規制を推奨します。
具体的には、正常なバックハンドスロー及びフォアハンドスローのみを有効として上投げスローおよび正常でないスローはすべてバッドスローとします。
11.【守備側のファール】
11-1 オーバーラインキャッチ
ディスクをキャッチする際に、ラインを踏んだり踏み越したりするとファールになります。
ジャンプをして空中でキャッチした後に着地したときや、走りながらキャッチをした場合も同様です。
11-2 アウトオブコート
守備側内野プレーヤーは自分がいなければならない内野コート以外の場所に位置してはなりません。
相手のシュートスローを避けるため、または相手のパススローをインターセプトするがため、これを意図的に行った場合、アウトとなります。
11-3 イリーガルポジション
相手に当たられた内野プレーヤーがアウトとなった後、外野に移動する前に故意にディスクに触れた場合、ファールとなります。
11-4 シミュレーション
守備側内野プレーヤーが当たったことを認識しながら、速やかに外野に出ようとしない、あざむこうとする行為をおこなった場合、ファールとなります。
また、監督・コーチ等プレーヤー以外がそのような行為を促すような行為・発言をおこなった場合も同様に適用されます。
11-5 守備側ファールによる所有権の移動
ファールを犯した位置に最も近い相手陣地に速やかにディスクを置き渡します。
正しく渡されない場合、審判によりゲームが止められ、正しく処理された後、ゲームを再開します。
12.【その他のファール】
12-1 タッチング
ゲーム中、相手チームのプレーヤーに触れるとファールになります。
持っているディスクで触れた、たたいた場合や相手チームのプレーヤーが持っているディスクに触れることも同様です。
12-2 オーバーディスクタッチ
自分の位置すべきコート外にあるディスクに触れるとファールになります。
ライン上にあるディスクについても同様です。ただし空中はこれに含まれません。
12-3 その他のファールによる所有権の移動
ディスクを一旦審判に渡し、審判から所有権の発生したチームの内野プレーヤーに渡します。
また守備側プレーヤーによってこれらのファールが犯された場合、所有権はないので、主審の判断で警告が与えられる場合があります。
13.【違反行為】
13-1 遅延行為
プレーヤーや監督/コーチが故意にプレーの進行を遅らせる行為や時間稼ぎと思われる行為をした場合、違反とみなします。
13-2 迷惑行為
プレーヤーや監督/コーチが他人に迷惑を与えるような行為を行った場合、またはゲームや大会の運営に支障をきたす行為を行った場合、違反とみなします。
13-3 スポーツマンシップを欠く行為
プレーヤーや監督/コーチがそのような行為を行った場合、違反とみなします。
13-4 違反行為の対処
攻撃側チームが違反した場合、ディスクの所有権は相手チームに移動します。
ディスクを一旦審判に渡し、審判から所有権の発生したチームの内野プレーヤーに渡します。
さらに主審の判断で警告が与えられる場合があり、特に悪質と判断された場合、退場が宣告されます。
守備側チームが違反した場合、ディスクの所有権は移動せず、警告または退場が宣告されます。
13-5 失格
1ゲームで2回の警告退場を受けたチームは失格となり、相手が勝者となります。
14.【勝利チーム】
14-1 試合時間経過後より多くのプレーヤーが内野に残っている、または時間内に相手の内野に1人もプレーヤーが残っていない状態にしたチームを勝ちとします。
14-2 内野に残っているプレーヤーの人数が両チーム同数の場合は引き分けとするか、または延長戦を行います。延長戦の方法は大会ごとに主催者が決定します。
15.【審 判】
15-1 ファールにおいて悪質性や故意性を感じるもの、および違反行為に対して、審判はその絶対的権限によりベンチ入りしている全てのメンバーに対して警告・退場を与えることができます。
15-2 コートにおけるジャッジメントは1名以上の審判によって判定されます。
15-3 審判の人数は大会の主催者が決定します。
※正式大会における推奨ジャッジメント体制は以下の通りです。
・主 審=1名 試合の全権
・副 審=1名 主審の補佐、センターラインジャッジ
・線 審=2名 担当する2方向のラインジャッジ
・記 録=1名 スコアおよびタイム、ベンチ入りメンバー管理